「文楽」って何!?と思われる方も多いと思います。
(お恥ずかしながら私もその一人です)
ということで、まず文楽について調べてみました。
人形浄瑠璃文楽の成立ちは、江戸時代初期。
古くはあやつり人形、後に人形浄瑠璃と呼ばれ、現在は人形浄瑠璃の代名詞として「文楽」があります。
場面の情景、物語の背景、登場人物全員の台詞など、全てを一人で語り分ける「太夫」と、太夫の語りと一体となり、音一つの内に背景や心情などを描き出す「三味線」、一体の人形を三人の人形遣いで操る人形。
この「太夫」・「三味線」・「人形」が一つとなってはじめて成立する総合芸術が「文楽」で、2003年に世界無形遺産にも認定された日本を代表する伝統芸能です。
特筆すべきは、三人で一体の人形を操る人形遣い。
首と右手操作する“主遣い”、左手担当“左遣い”、脚を操作する“足遣い”と役割が決まっており、三人の人形遣いが一体の人形を操ることで、微妙な動きはもちろん心情までも表現するそうです。
何だか凄そうで難しそうに感じてしまうかもしれませんが、この三谷文楽では、現代の言葉と三谷さんならではのユーモア、三谷ワールド溢れる演出で、日本の伝統芸能の新たな一面をたっぷりと味あわせてくれます!
笑って笑って最後にホロッとさせてくれる三谷文楽。
充実した120分間をお楽しみください。
元禄十六年四月七日、大坂の曽根崎天神の森で醤油屋の手代徳兵衛と北新地の遊女屋天満屋のお抱え女であるお初が心中死を遂げた。
この心中事件を題材に近松門左衛門が書いた『曽根崎心中』が大ヒット。
その後、この天神の森は第二、第三のお初と徳兵衛と言わんばかりに心中のメッカとなっていた。
その天神の森の近所にある饅頭屋。夫婦が営むこの饅頭屋だが、自分の家の目と鼻の先で心中を繰り返され、店から客は縁起が悪いと遠のき、饅頭屋は傾きかけていた。
ある夜、毎度のように若い男女が天神の森で心中をしようとしていた。
これ以上心中が出ないよう見回りをしていた饅頭屋の親父は、とにかく自分の家の近所で心中を繰り返されるのが嫌な一心で、この男女に「ここで死ぬな」と説得する。
自分の饅頭屋まで連れてくると、女房と共に思い至った二人に死ぬことを思いとどまらせ、あげくの果てには腹が空いている二人に饅頭を食わせてやった。
この事件をきっかけに、ちょっとした親父の思いつきから突如饅頭屋が流行りだす。だがそれも、長くは続かなかった―――。
舞台は元禄十六年の大坂。
心中流行の曾根崎・天神の森を舞台に繰り広げられる、
三谷幸喜の笑いと涙に溢れた人情喜劇。