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劇団☆新感線の代表作の一つである、『阿修羅城の瞳』が2025年春に宝塚歌劇にて上演されます!
そこで今回は、『阿修羅城の瞳』の上演史=ヒストリーを振り返りつつ、各作品の魅力をご紹介していこうと思います!宝塚歌劇で『阿修羅城の瞳』を観る前に、はたまた観た後に! この機会にぜひ、新感線版の『阿修羅城の瞳』もチェックしてみてください!
『阿修羅城の瞳』ヒストリー
1987年
初演は1987年。劇団☆新感線の結成が1980年なので、かなり初期に上演された作品でした。
「神が降りてきたような感じで、書きながら鳥肌が立っていた」と中島かずき氏が語った自信作。当時の看板女優・白石恭子さんの引退作品で、公演は熱気をはらんだそうです。残念ながら映像化はされておりませんが、伝説の舞台はここから始まったのです。
店長のおすすめ☆ポイント
チラシを見ると、作の中島さんのお名前が「かずき悠大」だったり、出演者に現在は衣裳としてご活躍の「竹田団吾」さんのお名前があったり、小道具がなんと「あわねまこと」だったり、劇場が当時の新感線を語る時には外せないオレンジルームだったりと、色々と歴史を感じさせる作品です。
1986年に上演された『星の忍者』で初めて付いた「いのうえ歌舞伎」というサブタイトルですが、その第二弾として上演された本作。
この公演が広く受け入れられたからこそ、「いのうえ歌舞伎」がシリーズとして続くことになったとも言えます。
かつて本作の戯曲本を取り扱った際に、中島さんにインタビューしたことがあります。そこで本作に関して、とてもアツく語られていたので、こちらに転載させていただきますね。
▼中島かずきさんのインタビューより(『阿修羅城の瞳』では)たまたま読んでいた資料が、次々に作品の中にはまっていくような体験をしまして。寺田寅彦の随筆の中に、『江戸時代に空から髪の毛が降ってきた』っていうエピソードがあるんですけど、それがちょうど南北が『東海道四谷怪談』を書く半年か1年前の話らしい。おそらくそれは、大島あたりの火山が爆発した時の火山毛(マグマの一部が引き伸ばされて髪の毛状になったもの)なんだろうと寺田は書いてるんですけど。つまり、実際に南北は江戸で空から髪の毛が降ってくるという事件を体験したんじゃないかと想像が膨らむわけです。だったら『阿修羅城』の作中では、空に浮かぶ逆しまの城から女の髪が降ってくることにしちゃえとか。そういうことがいくつか続いていたんです。(ここまで)このほかにも、まるで神が降りて来たような感覚で書いた、などこの作品に対する思い入れをたくさん聞かせていただきました。上演当時の評判も良く、中島さんだけでなく、劇団☆新感線としてとても思い入れのある作品となったとのこと。 そんな作品なので、あまり「再演」をしない新感線がこの後2度に渡りこちらの作品を上演することになったのだと思います。
87年だと流石に皆さんにお見せできるクオリティの映像が残ってないのが残念。
2000年
その後、2000年に、市川染五郎(現 松本幸四郎)、富田靖子ら豪華キャストで再演されました。商業演劇の聖地・新橋演舞場で初めて新感線が上演した記念碑的公演です。新感線の主宰・演出のいのうえひでのり氏は「小劇場や商業演劇などというジャンルは もはや関係ない、新しいエンターテインメントのカタチが受け入れられた」と語るなど、当時演劇界に衝撃を放った作品でした。 ▼2000年版は、DVDを販売中です!『阿修羅城の瞳2000』DVD
歌舞伎役者・市川染五郎(現・松本幸四郎)さんが、初めて劇団☆新感線に出演された作品です。
この後何度も傑作舞台を創り上げ、【新感染】などと呼ばれて人気を博すことになるこのコラボレーションの、その初めの第一歩。
(そう【新感染】は、映画よりも先に新感線が使ってたのさ!)
この頃はまだ「歌舞伎」と「新感線」の融合が荒々しく、まるで違う流派がぶつかりあった異種格闘技戦のような雰囲気が漂います。
梨園の御曹司として幅広い活躍で注目を集めていた染五郎さん演じる出門はギラギラしていて、つばきを演じる富田さんは密かに「姫阿修羅」などとも呼ばれるほどの可憐さで観客を魅了。そこに江波杏子さん、加納幸和さん、平田満さん、森奈みはるさんといった実力派の面々に、元新感線の渡辺いっけいさんと新感線看板役者の古田新太ががっつり噛み合って、悲しくも美しい鬼と人の物語を生み出しました。
作品としての完成度はもちろんですが、この公演はその後爆発的に観客動員数を増やしていく新感線の、ターニングポイントの一つとなった作品としても必見です。
『阿修羅城の瞳』は3度上演されているのですが、この『阿修羅城の瞳2000』が一番好き!と言う方も多いくらい人気の作品。
未見の方はぜひチェックしてください!
ちなみに個人的には、この後多くの作品に出演することになる、森奈みはるさんの新感線初出演作であることも強調したい!
この頃からとても素敵なのです。
2003年
そして、2003年には、市川染五郎(現 松本幸四郎)、天海祐希、伊原剛志らこれまた豪華キャストで再再演されました。こちらの2003年版、実は初めて映画館でテスト上映したゲキ×シネの原点ともいえる作品。当時テスト上映された映像を、2015年にデジタルリマスターしてゲキ×シネのラインナップとなりました。イーオシバイドットコムでは、以下の2種を取り扱っております!▼2003年の公演版が収録された『阿修羅城の瞳2003』DVD ▼2015年のゲキ×シネ版が収録された『阿修羅城の瞳2003』GEKI×CINE Edition Blu-ray公演当時の本編をフルで楽しめる公演版と、休憩を無くし再編集した凝縮バージョンであるゲキ×シネ版、二つの違いを楽しむことができるのも魅力の一つです!
再び市川染五郎さんが出門を演じる!そしてつばき役はなんと元宝塚の天海祐希さん!?さらに伊原剛志さん、夏木マリさん、小市慢太郎さん、近藤芳正さんといった実力派に、 高田聖子&橋本じゅんをはじめとする新感線メンバーがぶつかり合って生まれた傑作舞台。
歌舞伎役者として第一線で活躍しつつ『アテルイ』を経てさらに「新感線味」が増した染五郎さんと、今では「姐さん」なんて呼ばれるくらいおなじみとなった天海さんの「初新感線」。その融合は、それはそれはとんでもない作品を生み出しました。
それは《ゲキ×シネ》という新たな映像エンターテイメントを生み出しちゃうくらいの衝撃でした。
「舞台を見てもらった人にはもちろん、見ていない人にも楽しんでもらう映像を」
この作品から、新感線の映像製作は大きな転換期を迎えるのです。
染五郎さん、天海さんをはじめとする当代きっての人気・実力派俳優たちの演技はもちろん、それを受けて立つ高田聖子&橋本じゅんをはじめとする劇団員たちの弾けっぷりもぜひお楽しみいただきたい!
ちなみにDVDが発売された2003年、演出のいのうえひでのりは「(このDVDは)家宝にしてもいい!」という名言を残しました。
あなたはこの家宝、お持ちですか?笑
いかがでしたでしょうか。初演版、再演版、再再演版と、それぞれのキャストや演出などが異なり、それぞれの魅力を持った作品となっております。宝塚歌劇版との違いもぜひ見比べてみてください!
『阿修羅城の瞳2000』DVD
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『阿修羅城の瞳2003』DVD
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『阿修羅城の瞳2003』GEKI×CINE Edition Blu-ray
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