イーオシバイドットコム/「戯曲販売」開始記念 特集ページ!「中島かずきさんに戯曲のことを聞いてみた。」

イーオシバイドットコム 10周年企画 第3弾 「戯曲販売」開始記念 特集ページ! 「中島かずきさんに戯曲のことを聞いてみた。」

イーオシバイドットコムで
戯曲本の取り扱いを開始することになりました。

まずは、劇団☆新感線の座付き作家であり
最近では、アニメ・特撮の脚本・漫画の原作、などでも
活躍されている中島かずきさんの戯曲からスタートです。

ラインナップは超充実!
どれも読んでいて楽しくなる作品ばかりです。

あんまり面白かったので、
この機会に中島さんにインタビューをして
色々と聞いてみることにしました。
はてさてどんな話が飛び出すか・・・。
どうぞじっくりお読み下さい!

中島かずき
  • 第1回 インタビュー
  • 第2回 インタビュー
  • 第3回 インタビュー

[第1回]手書きからワープロへ。変わったもの、変わらないもの

コチラで注釈一覧をご覧いただけます。>>

--イーオシバイで中島さんの戯曲が一挙販売開始されるということで、

私もこの機会に未見の初期作品を文字を通して体験してみることにしました。

これがとても面白くて。

せりふ回しのグルーヴ感や登場するキャラクターに、

現在との共通点が見え隠れするのはもちろんですが、

せりふの一言ひとことに当時の文化や流行、それにギャグまでが詰まっていて、

ホントに濃厚なんです。

初めて新感線に書き下ろしされた『炎のハイパーステップ』(*1)なんて、

ト書きに「スマン。ここは演出の力で」みたいな

スタッフ向けのメッセージも入っている。

「これはずいぶん楽しそうだな」と思いました。

中島

この当時はね、僕は東京で出版社に勤めてたんだけど、

大阪にいるいのうえ(ひでのり)(*2)の部屋には電話もなかったから、

僕が書いた紙、台本そのものが通信手段だったんですよ。

で、「とにかく最初に読むスタッフや俳優たちを喜ばせなきゃいけない」

っていう気持ちもあったので、ト書きにもすごく凝っていて。

※「炎のハイパーステップ」より。ト書きに演出のいのうえ氏へのメッセージが書かれている。

手書きの時代だから、

原稿用紙のマスを無視して小さい字でチョコチョコ、

ギャグや注釈を書込んでいくこと自体が楽しかったっていうのも

あるのかもしれませんね。

「ババーン」みたいな擬音だけ大きく書いたりもして(笑)。

※「野獣郎見参」(96年公演)は、『劇団☆新感線 20th Century BOX』に収録されています。

これはワープロ書きの時代の話だけど、

マウスで習字が書けるソフトを使って

『野獣郎見参』(*3)の台本の表紙に入れる

タイトルロゴを作ったら、それをそのまま、

いのうえが舞台上に投影して。

でもよく見たら「獣」っていう字に1本線が

足りなかった(笑)。

いのうえには「おまえのせいだ」って怒られるし、

あれは恥ずかしかった。

幸い、今残ってる映像は修正後のものなんですけどね。

--手書きのニュアンスまでは、印刷部に残りませんが、

確かに初期の作品の方がト書きが多いような気はします。

中島

いちばん凝ってるのは『阿修羅城の瞳』だと思います。(*4)

ト書きが二重構造になってて、

戯曲本を読んだ人にだけ分かる仕掛けがあるっていうのをやった。

もともと初演版は

「六代目鶴屋南北『鬼殺逆浮城(おにごろしさかしまのうきしろ)』より」と

注釈をつけて、歌舞伎に題材をとったというていを装って

書いていたんですよ。

その体裁は省きましたが、今出てる戯曲集を読んでもらっても、

ト書きに込めたもう一つの構造は分かるんじゃないかな。

--そういった工夫は、いつかは観客の目に触れると思ってされていたんですか。

中島

『阿修羅城の瞳2000』DVD

『阿修羅城の瞳2003』DVD※「阿修羅城の瞳」は、初演以降2000年、2003年と上演。DVD化もされています。

いや、ほとんど自己満足ですよ。

スタッフやキャストのみんなに

「このくらい俺は本気でやってるよ」って

伝えたいっていうのはあったと思うけど。

ただ、『阿修羅城』に関しては、

書くこと自体が面白くて止むに止まれず

書いた部分も大きいかな。

たまたま読んでいた資料が、

次々に作品の中にはまっていくような体験をしまして。

寺田寅彦(*5)の随筆の中に、

『江戸時代に空から髪の毛が降ってきた』っていう

エピソードがあるんですけど、

それがちょうど南北が『東海道四谷怪談』(*6)を書く

半年か1年前の話らしい。

おそらくそれは、大島あたりの火山が爆発した時の

火山毛(マグマの一部が引き伸ばされて髪の毛状になったもの)

なんだろうと寺田は書いてるんですけど。

つまり、実際に南北は江戸で

空から髪の毛が降ってくるという事件を

体験したんじゃないかと想像が膨らむわけです。

だったら『阿修羅城』の作中では、

空に浮かぶ逆しまの城から女の髪が

降ってくることにしちゃえとか。そういうことがいくつか続いていたんです。

--初期の作品に感じる多弁さは、

頭に浮かんだこと、あふれるアイデアのすべてを記録したいという

欲望の表れだったんですね。

「手書き」という作業もまた、

それを濃厚にする要素だったのかもしれません。

中島

昔はキャラクターをイラストで描いてたこともあったし、

物語の展開にしても、いろんなシーンをカードに書き出して、

組み合わせながら考えたりしてました。

それもワープロになってからはなくなりましたけど。

ただ、戯曲を書く時の根本的な考え方は

あのころも今も変わらないんじゃないかな。

基本は当て書きで、

古田(新太)で何をやったら面白いか、

三浦春馬くんに、蒼井優ちゃんに何をやってもらったら面白いか。

出発点はいつもそこです。

※ちょうどこの時期、古田さん、三浦さん、蒼井さんが出演する
「五右衛門ロック3」の戯曲を書いている最中でした。

--具体的にはどんな手順で執筆に取りかかられるんですか。

中島

僕は全体の構造を考え、ラストシーンも決めて、

そこからの逆算で書きます。

メインキャストはおおむね決まっていますから、

まずはその人たちで何をやりたいかを考え、

それに合わせて登場人物の名前と、

物語の中でのポジションを決める。

そこまでできたら、表紙を書き、キャスト表を書きます。

ここまでで実質は2枚だけど、

僕の中では6割くらいはできたなという感じです。

--演出のいのうえさんやプロデューサーとの打ち合せは……。

中島

※「星の忍者」(95年公演)は、『劇団☆新感線 20th Century BOX』に収録されています。

それがほとんどないんですよね。

だからまったく孤独な作業です。

ホントの初期の初期に「何やろうか」って話はしますよ。

たとえば『シレンとラギ』(*7)なら、

いのうえが「永作(博美)と(藤原)竜也で

『オイディプス王』をやりたいんだよね」って。

でも、それだけ。

「以上」なんです(笑)。

それこそ大学時代に「ももカン」(*8)ってユニットで、

いのうえに演出を頼んだ時は、

電話代がもったいないからって、

文通したりもしてたんですけどね。

「『ルパン三世 カリオストロの城』は、すごく面白いから絶対観に行け」

なんてことまで手紙に書いて。

『星の忍者』(*9)の時もそんな感じでプロットをやりとりしたかな。

今考えると手紙って、

届くまでのあいだにタイムラグがあるから、

その間に考えが変わったりもしそうなんだけど。

--それでも大きな問題もなく書けていたわけですよね。昔も今も。

中島

そうなんです。

僕といのうえは喧嘩したことはないんですよ、たぶん。

もちろん、僕が書いたものと舞台上で起こることが

違ってくることはありますよ。

でもそれで文句があるんだったら、

自分で演出しろって話です。

僕が思うに、

日本の小劇場では劇作家と演出家を兼ねる人も多いけど、

やっぱりそれは、作家が演出してるか、

演出家が本も書いてるかのどっちかじゃないのかな。

で、最終的には本か演出のどちらかが甘くなる。

僕は、新感線がここまでやってこれたのも、

作家と演出家が別だったからじゃないかとも思っていて。

単純なスケジュールの問題から言っても、

演出家が現場にいるときに、作家は次の本を書けますしね。

そうやって準備に時間をかけられる。

--1作1作のクオリティ・コントロールの意味ではもちろん、

そうしてコンスタントに作品を発表すること自体が、

お客さんに劇団の活動や方向性を把握してもらい、

関心を持ち続けてもらうことにつながる面はありますからね。

中島

そうです。

新感線が数万人を動員する芝居を年に2回やっていけたのは、

そういうシステムだったからだと思っています。

<第2回に続く>

[第2回]「王道」を作り、「王道」を磨く新感線スタイル

コチラで注釈一覧をご覧いただけます。>>

--漫研のない高校に進学してしまったマンガ好きSF好きの中島くんが、

お手伝いをきっかけに演劇部に入り、

やがて同じ県大会に出場していた大濠高校の猪上(いのうえ)くんの芝居に

ヒラメキを感じて、彼らの作品をリライトした『桃太郎地獄絵巻』(*1)を書き下ろす……

という新感線前史はファンの間ではすでに有名だと思います。

では、中島さん自身は、どんな作家や作品に影響を受け、

自分の文体やスタイルを確立していったんでしょうか。


中島

具体的なきっかけは、

高校1年の時に演劇部の地区大会を観に行って

「あ、これくらいなら書けるぞ」と思ってしまったことにあります。

生意気にも(笑)

当時は生徒たちの戯曲創作が多くて、

周りの先輩たちもよく書いていたんですよね。

ただ、田舎の高校生だから実際の舞台はほとんど観られない。

だいたいの知識は図書館にある『現代日本戯曲体系』みたいな本で得ていました。

その当時は別役実さんとか清水邦夫さんとかの

不条理演劇や唐十郎さんが人気でしたね。

でも僕はそこにはあまりピンときていなくて。

「この文体なら分かる」って思えたのは、

やっぱりつかこうへい(*2)さんの作品に出会った時。

しゃべり言葉の使い方とか、

展開の仕方なんかは、

すごく大きな影響を受けたと思います。

中島かずき

--ちょうど『熱海殺人事件』(*3)岸田戯曲賞(*4)をとって

「つかブーム」が起こっていた時代ですよね。

確かに新感線の芝居の見得の切り方やせりふの展開、

言葉のリズムはつかさんのそれに似ています。

ただ、中島さんのせりふ、特に初期のものは、

もっと情報量が多いんじゃないでしょうか。

それこそ歴史的背景から、

同時代の風俗までがギュッと詰まっている。

人情ドラマと活劇という色合いの違いもありますし、

ただ単に「つかさん風」ともいいきれないところがあると思います。

中島

それこそ『熱海殺人事件』だとかに出てくる

既成概念の転換には「これだ!」と思ったんだけど、

つかさんのホントのテーマってそこじゃないんですよね。

それに気がついて

「なら僕は違う道だな」と思ったところはあります。

ただ、高校二年の時には、いわゆる不条理演劇ではなく、

映画のように誰が見ても分かる、

面白い芝居をやるぞと思っていましたね。

情報量に関しては、僕としてはむしろ、

このくらいしないとダメだって気持もあったんですよ。

つまり「新感線は色物だ」とか「演劇ではない」とか、

要するに「頭使ってない」みたいに言われ続けているけど、

「いわゆる『小劇場演劇』とは別の頭の使い方もあるだろう」、

「難しいことを難しく言う方が頭が悪いんだ」って言いたくて。

たとえば『仮名絵本 西遊記』(*5)だって、

あれの元ネタは人間原理と進化の物語ですから。

西遊記

※「PSY U CHIC─西遊記~仮名絵本西遊記より?」(99年公演)は、『劇団☆新感線 20th Century BOX』に収録されています。

「それが分かんないのはむしろ、あんたたちの限界だよ」

くらいの気持ちは持って書いていましたね。

当時は、風当たりも強かったぶん、

僕も生意気だったんだと思います。

--マンガにしろアニメにしろ、

年齢に関係なく「表現」として読み込み、

批評もする文化は、すでにあったわけですよね。

そういう感性が演劇ではまだマイナーだったのかも

しれません。

中島

そう思います。だから、その頃はよく

「演劇としては邪道かもしれないけど、娯楽としては王道です」って

言ってましたね。

--ここ数年の新感線は、

3つの路線を通じてその「王道」を追求していますね。

神話や史実を題材にした人間ドラマの「いのうえ歌舞伎」(*6)と、

ギャグやパロディー満載の「ネタもの」(*7)

そしてもう一つは音楽をふんだんに使った明朗快活な活劇「R」(*8)シリーズです。

どの路線も、もともと新感線の芝居にはあったものですが、

分けたことでいっそう、

それぞれの方向が磨かれている気もします。

中島

そうですね。

僕としては、新宿コマ劇場で『五右衛門ロック』(*9)をやったのが大きかったです。

いのうえ歌舞伎が「第二期」(*10)ってことを言い始めて人間ドラマ路線を強め、

その一方でネタものもやっていこうとしていて。

ただ、それだけじゃどっか軸が消えてた気もしてたんです。

そんな時に『五右衛門ロック』をやって、

ああいう爽快な活劇でお客さんがすごく喜んでくれてるのを見て、

「やっぱりストレートな冒険活劇もやらなきゃダメだ」と教えられた。

五右衛門ロック舞台

「五右衛門ロック」(08年公演)はDVDも好評発売中。

「じゃあ、それはRシリーズでやっていこう」って路線が見えた瞬間に、

「いのうえ歌舞伎は勧善懲悪的カタルシスに囚われずに、

色んな方向性にチャレンジできるな」とも思ったんです。

とはいえ、いのうえ歌舞伎の『蛮幽鬼』(*11)を書いたすぐ後に、

Rの『薔薇とサムライ』(*12)を書いた時は、

さすがに気持の切り替えが難しかったですけどね。

蛮幽鬼薔薇とサムライ舞台

「蛮幽鬼」(09年)、「薔薇とサムライ」(10年)はDVDも好評発売中。

--かたや「復讐の連鎖」を軸に正義のあり方を問う骨太なドラマ、

かたやカッコいいヒーロー、ヒロインが大活躍の勧善懲悪モノですから。

中島

そう。

でもこうして自分たちで路線を分けたことで、

お客さんにとっても分かりやすくなってきたところはあると思うし、

自分たちも次に何をするのかっていう意識ができる。

僕にとってはもう、いのうえ歌舞伎は実験の場です。

自分の中で試したいこと、もっと深めたいことは、ここでやる。

それは別にRシリーズで手を抜くって意味じゃないですよ。

むしろ、ああいう直球エンターテインメントをお客さんに届けるには、

ホントにきちっと性根をすえてやらなきゃいけない。

それはそれでやるし、

そういうものを作る自分も好きですしね。

いずれにせよ、新感線である以上は、

どの路線であっても「活劇」だといのうえも言ってるし、

それについては僕も変わらないと思っています。

<第3回に続く>

[第3回]ノったり、ノせられたり。中島かずきと新感線

コチラで注釈一覧をご覧いただけます。>>

--中島さんはアニメや映画の脚本を手がけられていますよね。

そういった他メディアでのお仕事と

新感線で戯曲を書くことの間には、どんな違いがあるんでしょう。

そもそも、俳優への当て書きという執筆スタイルは、

アニメや特撮モノには当てはめられない気がするのですが。

中島

アニメの場合はキャラクターの絵が見えると

出てくるアイデアもありますよね。

『天元突破 グレンラガン』(*1)で初めて本格的に

アニメの構成・脚本をやったんですが、

その時は「僕は当て書きなので、キャラクターを先に作ってください。

それに合わせて書きますから」と頼みました。

アニメって、どんなキャラクターがどんな配置で出てくるのか、

キャラクターづくりと全体の構成は同時進行なんです。

監督が「こういうヤツを出したい」って絵書きさんに発注すると、

絵書きさんは絵書きさんで、さらにアイデアを足してきたりする。

キャラクターの横に「彼は聖職者」なんて

落書きのようにメモしてあったりして、

「あ、コレ、もらいます」って話に取り込んだり。

そんなことはよくやりました。

中島かずき

--まさに集団創作なんですね。

中島

うん。だから編集者時代の仕事のやり方に似てますね。

ある種プロデューサー的な視点も持ちつつ、

全体をハンドリングしながらストーリーを作っていく。

『仮面ライダーフォーゼ』(*2)もそういうチームワークでやっていましたから、

最近はもう、新感線だけが孤独な作業なんです(笑)。

--でも、それだけ好きにできる場所とも言えますよね。

中島

それは間違いなく。

正直言ってテレビじゃいろいろとめんどくさいコードもあるし、

そういうことも含めてすべてを自分たちの責任で表現できるのは

大事なことだと思います。

そもそも新感線があるからこそ、他の仕事ができるようになったし、

それを続けられてもいるわけで。

やっぱりそれは、ホームグラウンドなんですよ。

--そのホームグラウンドで、自分なりの実験も叶えつつ、

数万人もの人を動員する公演を打てる。

これは演劇界全体を見渡しても、本当に希有なことだと思います。

中島

いろんなめぐり合わせがあっての今なんだと思います。

《ゲキ×シネ》(*3)やDVDの販売なんかも含めて、

すべてを自分たちで、インディペンデントでやっていますから、

その強みもありますよね。

お芝居とはいえ活劇だから映像でも見やすい、

なんていうことも含めてね。

あとはやっぱり、いのうえがこの30年なんら変わらず、

面白い芝居を作ることにしか欲がないっていうのも

大きいかもしれない。

あれでいのうえがいい車に乗って

いいマンション買って、

次々と女優に手をつけたりしてたら、

周囲もついていってないと思うんです(笑)。

でも実際は、外から来てくださる一流の役者さんもみんな、

「稽古場のいのうえさんは面白い」と納得してくださっている。

僕にしても、いのうえやプロデューサーにのせられてるところは

大いにあって。

たとえば新橋演舞場でやった『朧の森に棲む鬼』(*4)は、

シェイクスピアの『リチャード三世』をベースにした作品でしたけど、彼らは

その直前に宮藤(官九郎)くんが書く『メタルマクベス』(*5)を入れてきたりする。

朧の森に棲む鬼舞台メタルマクベス舞台

「朧の森に棲む鬼」(07年)、「メタルマクベス」(06年)はDVDも好評発売中。

こっちもシェイクスピアやるって分かってるのに、

どうしてぶつけてくるのか(笑)。

--そうやって「燃料」を投下してくると?

中島

そうそう。

ガソリンの入れ方、火のつけ方がうまい。

キャスティングも、

「俺がやりたい!」って思うようになってるしね。

『薔薇とサムライ』(*6)なんて、

「俺が見たい天海(祐希)姐さんをどう書くか」ばっかり考えて書いたし、

『シレンとラギ』(*7)も永作×藤原という組合せじゃなかったら、

恋愛モノだとか『オイディプス王』だとかって発想さえなかった。

薔薇とサムライ

「薔薇とサムライ」DVDより。

もちろんそれは、出ていただいてる役者さんたちの

おかげでもあって。

だって日本映画のトップクラスの作品を撮れるようなキャストが、

プロットもできてない作品に、

僕らを信用して「出るよ」って言ってくれるわけですから。

こんなにありがたいことはない。

--それだけ「新感線ブランド」が浸透してもいるんでしょうね。

中島

新感線ならこういう芝居だよってことは

だいたい分かっているわけだから、

役者さんにとっても、そこに出るのが損なのか得なのか、

出たいか出たくないかは判断しやすくなっているのかもしれませんね。

もちろん新感線は、出てもらった人に損をさせたりはしてないはずですけど。

--本番の舞台はもちろん、

《ゲキ×シネ》やDVDといった映像は「劇団☆新感線」の作品。

でも戯曲本となると、それは「作家・中島かずき」の作品になるわけです。

その違いをどんなふうに意識されていますか。

中島

やっぱり「これが僕の責任です」って気持ちはありますよね。

たとえばRシリーズだと、僕のほかに歌詞を書いてくれてる森雪之丞さんも

いるわけで、少なくともその線引きをハッキリ伝えることができる。

それと、『阿修羅城の瞳』(*8)なんかは、

舞台と戯曲では終幕の意味がまったく違うんです。

阿修羅城が崩れ去り、ヒロインのつばきも消えた後、

主人公の病葉出門(わくらばいずも)は赤ん坊の声を聞くんだけど、

そこには何もない?っていうのが僕の書いたラストシーン。

でもいのうえはそこで、赤ん坊の姿を見せましたから。

そこに残るのが絶望か希望か。

それはまったく真逆の解釈なわけです。

だから、戯曲には僕の意図がある。

で、ミスもある(笑)。

中島かずき

『髑髏城の七人』(*9)なんて、再演のたびに直してるし、

自分でも分からなくなっちゃって。

『アオドクロ』の最後の方で沙霧が捨之介に言うせりふに

「死ぬときは女の手にかかって死にたい。それがあんたの夢だったね?」

っていうのがあるんだけど、

実はそのせりふを捨之介が言うシーンを、前半でカットしてたという……。

これは本番始まってしばらくするまで気がつかなかった。

ただ、この作品って初演は原石みたいなもので、

再演のたびに磨いて磨いて、

新しい発見をしていってるとこがあるから。

去年上演した時も(通称『ワカドクロ』(*9))、

そういうミスだけじゃなくて、

「あ、この話ってこういうことだったんだね。じゃあここはこうしよう」って、

変えていったところが多い本でもあるんです。

--戯曲本を追っていくことで、

中島さんたちが過去の作品を反芻し、育てていく。

その成長過程を読むこともできそうです。

中島

そう。

実は今も、この前の上演で気がついたことを

ちゃんと書き残す機会があるといいなって

考えたりしているんですけどね。

中島かずき
中島かずき

中島かずき プロフィール

中島かずき

1959年8月19日生まれ

福岡出身

「炎のハイパーステップ」(85)より座付き作家として劇団☆新感線に参加。

座長いのうえひでのりとは高校演劇を通して知り合う。

『スサノウ』『髑髏城の七人』『阿修羅城の瞳』など歴史や神話をモチーフに物語性を重視し、複雑に絡み合う伏線を多用した脚本は、疾走感とグルーブ感あふれる演出とあいまって劇団の代表作となっている。

また『ジャンヌ・ダルク』(10)、『虚伝写楽』(09)、『レディ・ゾロ』『OINARI-浅草ギンコ物語―』(03)等の外部への書き下ろし作品も多数。

演劇以外にも映画やテレビの脚本、コミック原作、テレビアニメ『天元突破 グレンラガン』(TX・07)の脚本・シリーズ構成やアニメ版『のだめカンタービレ フィナーレ』(CX・10)のシリーズ構成、『仮面ライダーフォーゼ』(EX・11)の脚本のほか、オリジナル小説『まつるひとびと』(11)を出版するなど活躍の場は広い。

[受賞歴]

第47回岸田國士戯曲賞

中島かずき 戯曲シリーズ

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