[書籍]
『演劇プロデューサーという仕事 「第三舞台」
「劇団☆新感線」はなぜヒットしたのか』
著者:細川展裕
1,400円+税/四六判/ 304ページ/小学館
2018年10月25日発売
2018年10月25日(木)に、『演劇プロデューサーという仕事
「第三舞台」「劇団☆新感線」はなぜヒットしたのか』
という本が発売されます。
レコード会社の会社員から第三舞台のプロデューサー、
そして現在は劇団☆新感線のエグゼクティブ・プロデューサーに
なった細川展裕の初の自叙伝です。
細川氏は、イーオシバイを運営する、
株式会社ヴィレッヂの会長でもあります。
そこで今回、イーオシバイの店長が、著者の細川氏を捕まえて、
その内容をちょっとだけ教えてもらうことにしました。
果たして、気になる本の中身は!?
脱線を繰り返す裏話満載のインタビュー!
前後編でお届けします!
※インタビュー:2018年10月某日
※聞いた人……イーオシバイドットコム店長 糸永伸
――
早速ですがゲラ(試し刷り)を読ませていただきました。
細川さんがあちこちの飲み屋で話していた事の集大成ですね(笑)
細川
昔、ENBUゼミナールで舞台制作コースを持っていた時は、
その授業でちょっとしゃべったりもしてたけど。
こうやってちゃんと書くのは初めてだね。
――
第三舞台や劇団☆新感線のことは、鴻上(尚史)さんや
いのうえ(ひでのり)さん、(中島)かずきさんが話されたことが
沢山アーカイブで残っています。
それを一番近くで見ていた細川さんがどう感じていたか。
その客観的な視線はすごく新鮮でした。
細川
あくまでも私の目線で見たことですけどね。
同じ現場に立ち会っていても、思うことは人それぞれなので。
ちなみに鴻上からは「おまえは、そう思ってたんだな」と
言われました(笑)。
――
本書の第一章の「ロックと文学と三種の神器」では、
細川さんの幼い頃の話などもあり、
自伝小説や回顧録を読んでいるみたいだなと (笑)。
でも、全部読んでからもう一度読み直すと、
実はちゃんと「演劇プロデューサーの仕事」を紹介する本に
なっているのに気がつきます。
細川
良くできている本でしょ?(笑)
「世界は変わってゆく」とか、
「世界は相対的である」っていうことを、
中学校位の時に色々な出来事を通じて学んだことが、
今の仕事につながっているんだよね。
◎第三舞台の絶頂
――
第二章の「走り続ける第三舞台」では、
幼馴染の鴻上さん率いる第三舞台に関わられた経緯から、
小劇場ブームの真っ只中に居た様子、
そして、第三舞台の終焉までが書かれています。
『朝日のような夕日をつれて'87』
『朝日のような夕日をつれて'91』
『朝日のような夕日をつれて'97』
細川
第三舞台に関わったのは、
85年の『朝日のような夕日をつれて』から
97年の『朝日~』まででしたね。
――
私もまさにその小劇場ブームの中で
演劇に触れたクチです。
これ、みんなが聞きたいと思っていると
思うんですが、あの時、
あの場所に第三舞台がいたのは、
時代の必然だったんでしょうか?
細川
そのあたりは、本の中で詳しく
語っているから読んでほしいのだけど。
80年代中頃は、「若者が何かをしでかす
んじゃないか」みたいな、期待感みたい
なものがあった時代だと思うんだよね。
第三舞台は、メンバーも
観客も明らかにその同世代だった。
鴻上がオールナイトニッポンを
いち早くはじめたのも大きかったと思う。
演劇以外でも鴻上の話をリアルタイムで
聞けるメディアがあったわけで。
しかも当時ラジオの深夜放送というのは、
それなりに影響力のあるメディアだったし。
――
ブームの真っ只中は、やはりすごかったですか?
細川
もちろん。
「第三舞台がすごかった」という
一番わかり易い例として、
当日券待ちの行列の話も本の中に
書いてあるけど、だって今の若い人は
想像できないでしょう?
お芝居見るのに前の日から徹夜で
当日券に並ぶ。
それも一人二人じゃないっていう。
しかも、毎日だからね。
――
もし今の若い人に、第三舞台の当時の時代性や、
鴻上さんの作品性等を見せたいと思ったら、
細川さんならどの作品を選びますか?
細川
そりゃあ『朝日のような夕日をつれて』ですよ。
91年版じゃないかな。ほんとに全盛期・絶頂期。
今若い人たちが見たら、どう見えるのかな。
――
『朝日~』といえば、2014年に再演もされ
話題になりました。
細川
そういえば、当時91年版を客席で
見ていた時は、「なんて情報量の多い、
テンポの早い芝居なんだ」
って普通に思っていたんだけど、
2014年に『朝日~』が再演された時には、
それほどそう感じなかったんだよ。
――
2014年版はカットされていたんでしょうか?
細川
ほぼしてない。
同じような流れで同じようなネタの差し込み方でやってるんだけど、
そんな圧倒的な情報量に覆われるって感じじゃなかったんだ。
それは役者の違いなのか、自分の生きている環境・時代の違いなのか、
すごく不思議な気持ちだったな。
普通のテンポの芝居に見えたんだよね。その時は。
そういうのは見比べると面白いね。
『トランス』('93上演版)
『第三舞台 VINTAGE BOX』
――
第三舞台では無いんですが、
私は実は『トランス』が好きなんです。
松重豊さんが出演されているバージョン。
この本でも取り上げられてて嬉しかった。
『トランス』は『第三舞台VINTAGE BOX』
にも収録されてますね。
細川
初演だね。あれは当て書きだから、
やっばり、松重とこすちゃん(小須田康人)に
向けて書いているし、さとみ(長野里美)は
やっばりさとみだし、あの三人のために
書いたっていうのは確かだから。
そこからキャストを代えて上演したりもしているけど、
キャストが代わって違う面が見えることもあれば、
もともとはそうじゃなかったんだけどなあ、
みたいに感じる部分もあったり、
そのプラスマイナスは当然ある。
でも原型は初演にあることは間違いない。
――
『トランス』は、鴻上さんが初めて第三舞台以外に
書いた作品でもあります。
未見の方はぜひチェックしてほしいです。
前編2へ続く>>
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