シェイクスピアの傑作戯曲として名高い本作。
舞台の基本が詰まっているとも言われ、若手俳優の登竜門的な作品として位置づけられてもおり、
今まで数多くの名優が演じてこられました。

その「ロミオ＆ジュリエット」に今回挑んだのは、次のお二人。

ロミオ役は、ドラマ・映画・ＣＭ等で大活躍、現在人気・実力共に急成長を遂げ、
注目の若手俳優である佐藤 健さん。

初々しくもナイーブ、情熱的で切ない演技は、正に《恋の暴走》に走るロミオそのもの。
短い期間ながら、少年が愛を知り、男として成長していく様は、本作が初舞台・初主演とは思えません！

佐藤さんはこのロミオを演じるにあたり、シェイクスピアの本場ロンドンを訪れ、
演出家のジョナサン・マンビィさんの下で本番の役者と一緒に様々なワークショップに参加。
そんな、ロミオという役に対しまさに全身全霊を込めて向き合う姿勢が、ひしひしと伝わってくる熱演です。

そしてジュリエット役は、同じくドラマやＣＭに引っ張りだこ、
演技派女優としてますます活躍の場を広げる石原さとみさん。

ピュアで純粋で、だからこそ《恋に一直線！》なジュリエットを、見事に演じられています。
少女が様々な困難の中、大人の女性へと脱皮していく様は必見です！

石原さんとシェイクスピアと言えば、「オセロー」を原作にした2011年の劇団☆新感線の舞台
『港町純情オセロー』モナ役(原作ではデズデモーナ)の好演が記憶に新しいところ。
裏切りと嫉妬の渦の中で、ただひたすらに愛を信じる純粋さ可憐さに溢れたモナを演じた石原さんですが
今回挑むジュリエットもまた、愛を強く信じ、愛に生きる女性。
『港町純情オセロ』で石原さんの魅力に惹かれた方は、この２作を見比べてみるのもオススメです。

まさにはまり役な二人の俳優が挑む『ロミオ＆ジュリエット』。
この機会にどうぞご堪能下さい。

演出を手がけたのは、シェイクスピアの本場・英国の演劇界で今最も注目される若手演出家・ジョナサン・マンビィさん。

人の感情の機微を丁寧に描写する演出で定評のあるマンビィさんですが、
実は彼が「ロミオとジュリエット」を演出するのは今回が初！もちろん、日本での演出も本作が初めて。
そういう意味でも注目を集めた舞台となりました。

物語の設定は変わらず、なのに衣装などは現代風など、
これまでに無かった新しい解釈・イメージが溢れる舞台です。
美術や照明も、理想的なロミオとジュリエットの二人の存在を際立てます！

惹かれ合う二人、出会いの衝撃と情熱的な愛と別れの葛藤、そして悲しくも美しいラストシーンは、
まさに「21世紀の決定版」という名に相応しい『ロミオ＆ジュリエット』になりました。

古典的名作と呼ばれることが多いシェイクスピア作品ですが、その物語は王道にして「全て物語の基本」とも呼ばれる傑作ばかり。
しかも最近では、様々なアレンジバージョンが生まれ、若手から実力派まで人気の俳優が出演する話題作が次々に生まれています！
もし「シェイクスピアって難しそう」なんて敬遠していたらもったいない！この機会にぜひ『古くて新しい』シェイクスピア作品に触れてみてください！