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こうして出来上がった音楽は、お客様の耳には幕が開いて、初めて伝わります。その伝わり方は人それぞれです。けれども、客席にいる全ての人がその音楽を聴いています。舞台のための音楽、それは岡崎さんにとってどんなものなのでしょうか。
  岡崎さん曰く「『出汁』ですよ、昆布とかの出汁。例えば泣きのシーンにそれなりの音楽があるのとないのとでは絶対に違うと思うんだよね。間違いなく、観ている人は音楽の効果もあって泣かされていると思うけど、ほとんどの人は音楽を意識しない。でも、明らかに耳には届いている。主張しすぎると、バランスを壊してしまって邪魔になってしまう。料理も、出汁が強く効きすぎてると美味しくないでしょう?そういうニュアンスかな。
あとは、新感線にはクライマックスに泣きの音楽で立ち回りというシーンもありますけど、あれが勇ましい音楽だったりすると全然シーンが変わると思う。出汁だって、昆布とかつおとでは味が全く変わるじゃない。そういう、目立たないけど絶対に必要な物だと思います、舞台音楽って。」

こうして取材を重ねていくうちに、舞台音楽というのは、アーティストの仕事というよりも職人技だなと思い、岡崎さんに尋ねてみました。

  「そうそう。たたみ職人みたいでしょ。ミュージシャンだと、すごい広いラウンジにグランドピアノがあって、ポンポーンって鍵盤叩いて羽ペンで書いてるみたいなイメージあるけど、僕がやってるのはホントに職人みたいでさ。ミュージシャンはその後露出があったりするけど、僕なんかはほんとないから、気をつけないとどんどんダサくなってく。表に出ることないからね。作品だけ出てればいいから。小説家みたいかな。ながーい髪の人がネットかぶってやってます状態。作家ってそういうイメージがない?「切ればいいのによー」って(笑)。自分も奥さんのカチューシャとかたまーに使ってるしね。若者がやってるのならいいけど、中年のおっさんがやってると何ともいえん佇まいなわけよ。」


・・・・・そういう外見の意味で言っているのではないのに。岡崎さんのこういう人柄が人気がある理由の一つだと思います。

 


こうして完成した音楽は、劇場で流れ、舞台を盛り上げていきます。もちろん岡崎さんも劇場に足を運んで、その様子を確認します。場合によっては、幕が開いてから手直しすることもあります。今、読んでいるあなたも劇場でお見かけしたことはありませんか?

先日、行われていた『髑髏城の七人〜アカドクロ』のお仕事中にお伺いしたので、劇団☆新感線の舞台音楽中心の話となりましたがいかがでしたでしょうか。今回の『お仕事拝見!!』をきっかけに、舞台や演劇DVDを観るときには、音楽をじっくり聞いてみてください。きっと、新しい舞台の魅力に引き込まれるはずです。

※「アカドクロ」楽屋にて、出演者:横山一敏さんと)


岡崎 司
1959年12月2日生まれ
ギタリスト&コンポーザー&アレンジャー。
劇団☆新感線の音楽制作をはじめ、数々の舞台音楽を手がける。
ご本人のサイトはこちら

今後の公演スケジュール

2004年4月〜6月 劇団☆新感線『髑髏城の七人』
2004年7月12日より ヴィレッヂプロデュースVol.3・阿佐ヶ谷スパイダースPREMIUM 『真昼のビッチ〜The Bitch Shouts in the Midday.〜』
2004年7月31日より PARCO劇場『鈍獣』
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