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物語
月影花之丞一座。
演劇界でも孤高の位置を占める劇団である。率いるは、“座長芝居の最終兵器”と呼ばれる月影花之丞(木野花)。しかし、彼女の身体は恐るべき病魔に蝕まれていた。奔馬性爆心症〈ハイテンション・ビッグバン〉−−−−−−−。数年前に一度発作に襲われ、九死に一生を得たが、今度発作を起こせば死は確実と言われている。

そんなある日、舞台稽古をみていた花之丞は、一座を支える花形役者・桜小町カケル(森奈みはる)に活をいれるため当て馬を連れてくる。そば屋の出前持ちの娘、彼女の名は、赤巻紙茜(高橋由美子)。本人も無自覚だったが驚くべき演劇運動神経の持ち主だった。茜に天性の資質を感じた花之丞は、一座に加えることを決める。突然のライバル出現に、敵愾心を燃やすカケル。カケルの意地悪や、花之丞が与える試練の数々、カケルと花之丞を日々支える役者兼裏方の古株、殴屋多喜二(川原和久)の厳しい言葉に耐えきれず逃げ出してしまう茜に、花之丞は真意をあかす。

『紅天狗』。花之丞だけが上演権を持つ大衆演劇界に伝わる、幻の舞台。いつか、ふたたびこの作品を世に出すと誓った花之丞は茜という天賦の才を得て、動き始めたのだ。しかし、そのためにはまだまだ数多くの試練を乗り越えなければならない。

そんな中、日本芸能界の征服を目指す悪徳傲慢プロデューサー、仰天一郎(池田成志)が動き出した。彼は、花之丞に復讐を誓う上川端麗子(川崎悦子)と手を組み『紅天狗』の上演権を横取りすべく、妨害工作を始める。茜とカケル、花之丞と麗子、そして天一郎。さまざまな運命が交錯する中、ついに『紅天狗』上演の時が来た。

奇人変人入り乱れ、今、最後のステージの幕が開く。


解説
1996年に初演された『花の紅天狗』は、当時劇団☆新感線の中でも異色といわれ、現代を舞台に特異なキャラクター達が縦横無尽に暴れまわるマンガ的な世界が繰り広げられた。

そして2003年、再び『花の紅天狗』が上演され、あの月影花之丞が舞台に蘇った。初演時に強烈なインパクトを与えた木野花演じる月影花之丞、他の役者では不可能とも思われる「関節話法」を駆使する川崎悦子演じる上川端麗子、また月影花之丞に振り回される赤巻紙 茜、桜小町カケル達もパワーアップして帰ってきた。ヒロインである赤巻紙 茜は、2001年に青山劇場で上演された『野獣郎見参』で新感線経験者の高橋由美子が、そのライバル桜小町カケルは宝塚歌劇団出身で新感線作品には他に3本も出演している森奈みはるが演じ、花之丞と麗子の戦いに負けず劣らず「紅天狗」の座を巡っての戦いを繰り広げる。中でも劇中劇が素晴らしい出来で、本編と合わせて豪華二本立ての舞台を観たようなお得な気分が味わえる。

DVDでは、現代劇であるはずなのにありえない世界で繰り広げられる月影花之丞ワールドが、まるで飛び出すDVDのごとくパワフルに仕上がっている。さらに音声特典では、木野花、高橋由美子、池田成志、いのうえひでのりが出演しており、また別の月影花之丞が蘇ったかのような盛り上がりを見せている。

ディスクを挿入した瞬間、月影花之丞があなたの部屋に蘇る。


【お詫び】「花の紅天狗」DVDプロフィール画面において、池田成志さんの生年月日に誤植がありました。
誠に申し訳ありませんでした。正しくは下記のとおりです。
誤:1962年9月22日 → 正:1962年9月27日