今は昔、京の町。そこに秘術を操り、都を魔界の闇から救った天下無双の陰陽師がいた。名を安倍晴明。その霊力を封じた五条河原の“晴明塚”は、彼死して尚、もののけ共の魔力から京の都を護り続けていた。晴明の死からおよそ250年。時は応仁の乱、戦乱の世。焼け野原と化した京の町に、突如魔物たちが甦った。戦乱に乗じて何者かが、あの“晴明塚”を破壊したのだ。今や京は、魔物たちの怨念に満ちた呪いの都。そこに“あの男”がいる。頭は単純、気性は短気。男は殺す、女は犯す。金に汚く己に甘い、傍若無人のあの男、人呼んで、物怪野獣郎。両刃の剣を抜き放つ、その強きこと鬼神の如し。だが、女にはめっきりモテず、最愛の女、美泥は今や、ある男の妻となっている。その男、謎の魔事師・芥蛮嶽。蛮嶽はこの京の町で、密かにある秘物を狙っていた。それは“晴明蟲”。巨星・安倍晴明が遺した永遠の命を得る秘法。その力を以ってこの世を鎮めようとする蛮嶽の志に、美泥は惚れた。陰陽頭として都の平安を司る安倍家の総帥、西門は、野獣郎と蛮嶽に、魔物の首領、道満王の馘首を命じる。二人の前に立ちふさがるは、羅生門の妖怪・婆娑羅鬼。更には、美しい横顔に氷の微笑を浮かべる女妖怪・荊鬼。そして雷にも似た閃光と共に、金色の仮面と甲冑に身を包んだ怪人、道満王がついにその姿を現した。果たして二人が目撃した、道満王の正体とは何か。蛮嶽が狙う“晴明蟲”の、恐るべき真の力とは。そして次第に明らかにされる美泥の哀しい運命とは?地獄の果てまで続く、その全ての無明の闇を、今、不死身の男・野獣郎の、熱き心がぶったぎる!!
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